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Perspective

電子たばこ‐より安全な代替たばこはどれほど安全のか?

February 07, 2016| Von Charlie Kingdollar | P/C General Industry | Japanese | English

電子たばこは2003年に中国で発明されました。3~4年後に米国市場で登場してから電子たばことその付属品の年間売上は35億ドル(約3,500億円)に達しています。電子たばこは健康への害が少ない代替製品として販売されており、今日約450の電子たばこブランドが7,700以上のフレーバーを市場に提供しています。現在約8,500もの電子たばこ専門店だけではなく、コンビニ、ガソリンスタンド、薬局、ドラッグストア、食料品店、雑貨店、卸売店、スーパーマーケット、酒類販売店が電子たばこを販売しています。

電子たばこの人気は急増し、アメリカ国民成人の10%が電子たばこを喫煙し、その中の多くは従来のたばこを禁煙したいという意思を持っていることは明らかです。ワシントンポストによれば高校生の13%以上、そして中学生の5%近くが電子たばこを使用していると推測されています。

アルトリア・グループやレイノルズ・アメリカンといった国産たばこメーカーがこの分野への進出を開始したなか、米国市場で現在販売されている電子たばこの大半は今もなお中国製です。

電子たばこが爆発し、使用者が火傷を負ったという事故もいくつか報告されました。中国製電子たばこが爆発し、ある女性が重度の火傷を負ったというカリフォルニアでのケースでは、アメリカの卸売業と小売業がその責任を問われ、被害者に対して損害賠償金190万ドルを支払えという判決を受けることとなりました。

電子たばこに使用される気化液には健康に害を及ぼす可能性があるものもあります。現時点では、毒性の試験や表示に関する規制はありません。

電子たばこには健康に有害なニコチンが従来のたばこより低いレベルで含まれています。気化液のなかにはニコチンなし、ニコンチン量はミディアム、ハイといったレベルで分類されているものもありますが、それはメーカーの記載を基準としたものです。

気化液にはニコチンだけではなく、様々な化学品や食品香料も含まれています。食品香料というと聞こえがいいかもしれませんが、その大半はその物質が体内へ吸入された時の有害性について、これまで一度も試験されたことがないものばかりです。 ジアセチルはその顕著な例です。

ジアセチルは食品および飲料産業で60年以上も幅広く使用されているバターフレーバーの化学物質であり、ジアセチル吸入が閉塞性細気管支炎を引き起こし肺機能を損なう可能性があることは2005年まで連邦政府にも知られていなかった事実です。これは電子レンジで作るポップコーンメーカーの工場の複数の作業員の健康状況悪化から明らかになったものです。被害者らは片方か、または両肺移植が必要となったこともあり、この工場作業員から食品香料メーカーおよび他の被告に対する訴訟は、個別原告および原告集団にかかわる判決に結果して、その損害賠償金額の範囲は260万ドル~3040万ドルとなりました。

それ以前に行われた中国製電子たばこの気化液のテストでは74%以上にジアセチルが含有されていました。ジアセチルレベルが従来のたばこの多くに含有されるそれよりもはるかに低いとはいえ、米国国立労働安全衛生研究所が定義する職業上許可されているエクスポージャー限界値の2倍もの数値となっています。

それに続いてMilwaukee Journal Sentinel 紙が行ったジアセチルの有害性に関する調査によると、「電子たばこ産業の一般的な試験は化学物資の潜在的な危険性を検出するための十分な精度基準で行われていないことが明らかになった」。その結果、メーカーの多くはそれぞれの製品には本当の存在有無に係わらずジアセチルが含まれていないと主張することができるというわけです。

気化液に含まれる既知の化学物質:

  • アルデヒド‐気道狭窄の原因となる呼吸器刺激物。カリフォルニア州ではアセトアルデヒドとホルムアルデヒドは発がん性物質および生殖毒性物質として分類されています。
  • カドミウム‐食品安全機関の中にはカドミウムを発がん性物質と分類している組織があります。
  • イソプレン‐米国疾病予防管理センターは、イソプレンを呼吸器刺激物質として分類しています。
  • 鉛‐米国労働安全衛生庁によれば鉛は腎臓機能障害、高血圧、神経系および神経行動学的な影響、認知機能障害の原因となり、胎生期エクスポージャーに起因する微妙な認知効果も確認されています。
  • ニッケル‐米国有害物質/疾病登録局はニッケルの体内への吸入は慢性気管支炎、肺機能の低下、肺および副鼻腔ガンの原因となる物質として分類しています。
  • N-ニトロソノルニコチン‐米国国立衛生研究所は人間の発がん物質として分類しています。
  • トルエン‐米国労働安全衛生庁はトルエンが中枢神経系、目、皮膚、呼吸器、肝臓、腎臓に有害な物質であるとしています。


2015年10月にはJournal Sentinel が医師により2件の電子たばこによる急性肺損傷のケースが発見されたことを報告しています。31歳の女性が稀な形態の肺炎、そして60歳の男性が過敏性肺炎の診断を受けたという内容でした。

つい最近では消費者3名(ニューヨーク、カリフォルニア、インディアナ)がアメリカ全土で電子たばこ気化液を販売しているメーカーである Five Pawns 社を告訴しています。訴訟では、Five Pawns 社が気化液には重篤な肺疾患を引き起こす可能性が高いジアセチルおよび2.3-ペンタジオン(ジアセチルに類似した代替化学物質)が含有されていることを既知の上で消費者の注意を喚起しなかった点が論議されています。Five Pawns 社の弁護士は原告には健康上の被害がみられないという意見を表明しています。

この初めての訴訟が勝訴となるか却下となるかは別として、他の訴訟が続いていくことが予想されます。電子たばこの大部分が中国製であることを考慮すると、メーカーが起訴されることは難しい、つまり法的責任を問われるのは米国の販売会社および小売店のみとなることが推測されます。ジアセチルのような体内への吸入の害があると考えられる物質を含有した電子たばこを喫煙する成人数、未成年数を考えれば、集団訴訟に参加しえる人数は膨大なものとなることが考えられます。潜在的健康被害の可能性は確実です。ジアセチルやその代替物が含有されている気化液が使用されている割合の高さや、ジアセチルが原因となる健康への有害性に関するこれまでの判決、そして将来予想される訴訟人数を考えれば、電子たばこは損害保険業界にとって顕著な深刻な課題となることでしょう。

電子たばこやその他のEmerging Issues のテーマに関しては2016年3月3日(木)の NAMIC Commercial Lines Seminarで午前、そして午後にプレゼンテーションが行われる予定です。ぜひご参加ください。Gen Reの社員が会議に参加し、このテーマ、およびその他の保険に関するテーマを皆様にご報告します。

 

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